心臓が止まった

気圧配置が悪くオフショア気味の風が続くのが分かっていたのでまったりモードである。それでも昨日も9時半に寝た。明け方野犬が吠える騒音で目覚めたが、暫くしたら静まり返ったので再び眠りについた。こういう状態だと睡眠時間が長くても熟睡していない時間があるので、疲労が完全に取り切れていないことがある。今朝は5時半に起きたものの、やはり若干疲れが残っている。旅の疲れもあるだろうが熟睡ができていた感じではないので、やはり未明の野犬の騒音で目覚めたことが尾を引いているのだろう。
筋トレをして腹式呼吸と気功を終えて窓の外に目を向けるが未だ暗くてよく見えない。食事をしながら風情報を収集すると、東の風が弱いと言うのが分かる。今日から片づけと言う感じのコンディションである。ここ数日筋トレに力を入れていたせいか、起床時に腰痛を感じたので今日から筋トレの頻度と負荷を軽減したほうがよさそうな感じである。
早朝メニューを一通りこなしてから再び筋トレをして艇庫に行く。弱めのオフショアでブローが入ると走ると言う感じの状況である。早速道具を片付けた。ハイアットのロビーでローカルのはたまたさんにあい良い風が吹いていると言っていたが、やはり風向が不安定な状況だった。そもそも行きがけにガラバン小学校の風力発電のプロペラはオフ向きだったし、ビーチロードに出てアメリカンメモリアルパークの星条旗を確認した時もオフ向きに靡いていた時間が長かった。半分程度道具の片づけが終わったところで写真撮影をしてくる。
北海道在住の初心者の方が乗っていたが、北海道と言う不利な条件があり練習時間が取れないため、上達に時間が掛かっている感じがした。もう一人は大学生で来年度から就職。頭が良いだけあって物事を卒なくこなす力は非常に長けているものの、突き詰めて物事を考えると言う姿勢はあまり感じられない。思うに受験勉強を卒なくこなし、見栄えの良い生活をしてきたのだろうと思う。
私は高校時代2年の時からニーチェやキルケゴールを読み人生はいかなるものか、実存主義とはいかなるものかと言うことに感動を示し、受験勉強などくそくらえと言う姿勢で勉強をしていたので、第一志望校は足切りすら無理な状況で第二志望校に進学したものである。それでも高校時代に倫理社会の充実した勉強をしたおかげで、大学入学後の一般許容過程は更に深く知識習得ができ興味深いものになった。特に心理学を重点的に学んだ。今はそういう学業方法は流行らないのだろう。卒なくこなし見栄えの良い学歴を誇る人材の方が世間受けするからだろう。
彼はウインドにも卒なくと言う姿勢が出ていて、とりあえず走って回って帰ってくる動きはできているので、初心者が見ると上手いと感じる。サイパンのように老人クラブでウインドを楽しんでいる人口ばかりだと受けるが、カイトしてセールを開き気味で乗っているので無駄が多く、ワンランク上に行くためには卒ない乗りではなく深く極めた練習をしないといけないのだが、今までの人生で卒ない生活が一番という思考回路になっているため、中々物事を突き詰めて考えると言う姿勢になれない感じである。価値観の違いだろう。
明日最後の片づけをすれば終わりと言う状態にして今日は撤収した。腰痛が気になったので戻ってからは筋トレをせず買い物に行った。今年はローカルの個人商店のようなところで買い物をする機会を増やした。値段がまちまちなので掘り出し物なども結構あるからである。フィリピン国内での阪大しか許可してない缶詰が安く輸入されていたり、全粒粉パンを売っている商店があったりと様々である。一寸離れた個人商店に入ろうとしたら、目立脂肪を被った作業員風の人が後ろに来たので、扉を抑えて中に入るなり後ろから入ってきた客が、"Hold up!"と叫んだ。一瞬立ちすくんだ。正に心臓が止まったと思ったほどである。その瞬間満面の笑みで目立脂肪を取り私の肘を叩いていた男性。ここは海外である。冗談とは気づかず凍てついた。店内には4人か5人いたがみなローカルばかりで落ち着き払っていた。凍てついていたのは私だけだったのである。海外に来ると色々なことがある。明後日は帰国である。3か月など本当にあっという間である。凍てついていた時間もあっという間だった。